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『竜とそばかすの姫』はなぜ酷評されるのか?その理由について徹底解説!

細田守監督の最新作『竜とそばかすの姫』は、2021年7月16日に公開されました。

インターネット上の仮想世界<U>を舞台に、歌うことを通して自分を見つけていく女子高生・すずと、<U>で暴れ回る謎の存在・竜の物語です。

しかし、この作品は賛否両論であり、特に「酷評」や「ひどい」という声が多く聞かれます。

この記事では、『竜とそばかすの姫』がなぜ酷評されるのか、その理由を分析していきます。

声優陣に対する不満

『竜とそばかすの姫』の声優陣は主人公・すず役に中村佳穂さん、竜役に小林千晴さんという、プロの声優ではなく歌手や俳優が起用されています。

また、他のキャラクターにも芸人やミュージシャンなどが多く配役されています。

これに対して、一部の観客からは「声優が下手」「声が合っていない」「プロ声優を使ってほしい」といった不満が出ています。

細田守監督は過去の作品でもプロ以外の声優を起用することが多くありましたが、本作では特にその傾向が強くなっています。監督は「キャラクターに合った声を探している」と語っており、本作ではキャラクターが歌うシーンも多いため、歌手や俳優を選んだのでしょう。しかし、それが逆にキャラクターと声の乖離を感じさせたり、演技力や表現力に欠けると感じる観客も少なくないようです。

ストーリー展開に対する疑問

『竜とそばかすの姫』のストーリー展開にも、多くの観客から疑問や批判が寄せられています。特に物語後半で起こる虐待問題やその解決方法については、「現実離れしている」「無理やり感がある」「メッセージ性が歪んでいる」といった意見が多く見られます。

本作では、竜の正体である恵と知という兄弟が父親から虐待を受けていることが明らかになります。すずはネット上でその様子を目撃し、児童相談所に通報しますが、48時間以内に対応できるとは限らないと言われます。そこですずは自ら東京まで行き、兄弟を救出しようとします。しかし、この展開は社会システムへの不信や周りの人間への依存を助長するものであり、虐待問題を簡単に片付けてしまうものであると批判されています。

また、本作では<U>という仮想世界が重要な役割を果たしていますが、その設定やルールにも不明瞭な点が多くあります。例えば、竜が<U>で暴れる理由や目的、クリオネの正体や能力、ジャスティンの動機や行動などは、作中では十分に説明されていません。これらの点についても、「筋が通っていない」「説得力がない」「展開が強引」という声が上がっています。

細田守監督の過去作との比較

『竜とそばかすの姫』は、細田守監督の過去作と比較されることも多くあります。特に『時をかける少女』や『サマーウォーズ』との類似性が指摘されており、それらの作品に対する思い入れや期待値が高かった観客からは、「オリジナリティがない」「パクリだ」「前作の劣化版だ」という酷評が出ています。

細田守監督は本作について、「自分のこれまでの集大成」と語っており、過去作の要素を意図的に取り入れていることを否定していません。しかし、それが逆に観客にとっては「新鮮味がない」「予想通りの展開」「過去作へのオマージュではなく模倣」という印象を与えてしまったようです。また、過去作と比べて感動や笑いの要素が少なく、重苦しい雰囲気が強かったことも不評の一因となっています。

『竜とそばかすの姫』はなぜ酷評されるのか?その理由について徹底解説!まとめ

『竜とそばかすの姫』は声優やストーリー、過去作との比較で酷評される 以上、『竜とそばかすの姫』がなぜ酷評されるのか、その理由を分析しました。声優陣に対する不満、ストーリー展開に対する疑問、細田守監督の過去作との比較という3つのポイントが主な批判の対象となっています。本作は細田守監督らしい音楽や映像、メッセージ性を持った作品であることは間違いありませんが、それらが観客にとっては不満や不快感を引き起こす要因にもなってしまったようです。本作を見る際には、これらの点に注意して楽しんでみてください。