2025年5月16日公開の映画『かくかくしかじか』は、東村アキコの人気漫画を原作に、永野芽郁が主演を務める期待作だ。
しかし、公開直前に報じられた主演 永野芽郁の不倫疑惑スキャンダルが興行収入に暗雲を投げかけている。
SNSでは「映画のイメージが汚された」「原作ファンが離れる」との声が飛び交い、興行収入が予想の半分に落ち込む懸念も。
さらに、フジテレビは中居正広氏の性被害疑惑で既に201億円の赤字を計上しており、『かくかくしかじか』の失敗は同社にとって深刻な追い打ちとなりそうだ。
この記事では、興行収入低迷の責任は誰にあり、真の損失者は誰か?映画業界の報酬システムとフジテレビの経済危機を考察する。

永野芽郁の報酬は興行収入低迷でも影響なし?
日本の映画俳優の報酬は、基本的に固定報酬が中心だ。
永野のような若手トップ女優の場合、『かくかくしかじか』(製作費推定5~10億円)で主演のギャラは500万円~2,000万円程度が相場だと言われている。
この金額は契約時に保証され、興行収入が仮に50億円から25億円に半減しても、彼女の収入に直接的な影響はない。
一部の契約には興行収入ボーナス(例:20億円超で追加300万円)が含まれることもあるが、日本映画ではボーナス額は控えめ。
永野が失うのはせいぜいこの追加報酬のみで、映画の興行収入が少なかったとしても金銭的な「痛手」はほぼゼロだと考えられる。
つまり、興行収入低迷の責任が永野に及ぶことは、少なくとも金銭面ではほとんどない。
フジテレビ 201億円赤字に追い打ちのリスク
いや港氏と大多氏の責任だよ
フジテレビ親会社、最終赤字201億円の見通し 中居正広さんの問題が大きく影響 https://t.co/tqxwhfoYRX @Sankei_newsより
— わとみのる (@AjttQL8VlPqb8pp) April 30, 2025
フジテレビを傘下に持つフジ・メディア・ホールディングスは、中居正広氏の性被害疑惑スキャンダルが原因で2024年度に201億円の最終赤字を計上する見通しだ。
このスキャンダルでスポンサーがCM放映を停止し、広告収入が急減。
さらに、視聴率の低迷やインターネット広告へのシフトも重なり、テレビ事業は危機的状況にある。
ここに、『かくかくしかじか』の興行収入低迷が追い打ちをかける。
映画の製作費(5~10億円)を回収するには、興行収入で最低20~30億円が必要だが、永野の不倫疑惑による動員低迷で、25億円以下に落ち込むシナリオも現実的だ。
この場合、フジテレビの取り分は5~7億円程度に縮小し、製作費回収が困難に。
スキャンダル連鎖によるスポンサー離れやブランドダメージも加速し、既に201億円の赤字を抱えるフジテレビにとって、映画の失敗は財務と信頼の両面で深刻な痛手となり得る。
フジ以外の損失者は誰?製作側と原作者への影響
興行収入低迷のダメージは、フジテレビ以外にも広がる。
1. 製作・配給会社(ワーナー・ブラザースなど)
製作会社は興行収入から配給手数料(30~40%)や劇場分配(約50%)を差し引いた収益を得るが、収入が半減すれば赤字リスクが高まる。
ワーナー・ブラザースも共同製作に関与しており、フジテレビ同様に収益減を被る。映画の失敗は、続編や関連プロジェクトの中止にもつながりかねない。
2. 原作者・東村アキコ
原作使用料(推定100万円~500万円)は興行収入に関係なく支払われるが、映画の不振は原作のブランド価値やコミック・グッズの売上に悪影響を及ぼす可能性がある。
東村は永野のキャスティングに期待を寄せていたとされるだけに、SNSでの「原作の品位が下がった」との声が広がれば、間接的なダメージは大きい。
3. 劇場
興行収入低迷は劇場のチケットや飲食物売上にも直撃。初週動員が振るわなければ、上映期間の短縮やスクリーン数の削減で収益機会がさらに失われる。
原作者の東村アキコへの影響は金銭的な理由だけでないだろう。
東村アキコの永野芽郁への信頼
いよいよ明日、映画かくかくしかじか、公開です!!!!!!
皆様どうぞ、どうぞよろしくお願いいたします!!!本当に素晴らしい作品になっております、観ていただいたかた、感想もぜひポストしていただけると!!!セットに飾ったこの真ん中のデッサン、私が高校生のとき絵画教室で描いたものです! pic.twitter.com/icKnv4UEX8— 東村アキコ (@higashimura_a) May 15, 2025
原作者の東村アキコにとって、『かくかくしかじか』は自身の人生を投影した自伝的傑作であり、永野芽郁のキャスティングは映画化を決断した最大の理由だった。
東村は永野の演技力を絶賛し、ずっと断り続けていた本作の映像化にも
「永野芽郁の明子を観たいがためにやらせていただきました」と語っている。
その信頼は、彼女が連載を休み、脚本執筆(伊達さんとの共同)、ロケハン、撮影、美術監修まで全面参加する異例のコミットメントに表れている。
東村は宮崎・石川・東京のロケに同行し、当時の実体験を永野や大泉洋に伝え、絵画教室の油絵やデッサンを自ら監修。
永野が演じる林明子(東村自身を投影)の「喜怒哀楽がしっかりある」姿に、「雰囲気が似ている」と感動した。
東村は永野に作品の魂を託した証であり、彼女の情熱が映画の芸術的価値を高めた。
しかし残念ながら、永野の不倫疑惑が興行収入を脅かしている事実は、結果的に東村の努力が報われない可能性も含んでいる。
作品へのXのコメント
Xの投稿でも、東村アキコの作品自体には興味があっても、永野芽郁の不倫騒動が思い出されるために見たくないという意見がかなり多いようだ。Xの投稿の一部をご紹介する。
かくかくしかじかて多分かなり感動の作品なんだろうけど、、、永野芽郁では感動できそうもないから映画館行かない、、、大泉洋はすきなんだけどなぁ、、、残念やわ
— ジャグラー・タイガース (@FS2MT7UwzAKW2xY) May 14, 2025
それでも、やはり大作なだけに映画館に観にいくという人も一定数いる。
友人に誘われて観に行く事になったんですけど、本当は永野芽郁が出てるから見たくないってのが本音で、不倫さえなければもっと気持ちよく見に行く約束できたのに。こんな雑念持った状態でも映画楽しめるか不安です。
— bask (@TheBabyFlash) May 15, 2025
今回の永野の不倫騒動がなければ、もっと観客を増やせただけに、原作者の東村アキコ氏が不憫でならない。
永野芽郁の真のダメージ、CMから消えて収入激減
永野に直接的金銭的ダメージがなくても、間接的影響は無視できない。
不倫疑惑は「清純派」イメージを損ない、CM契約(例:資生堂、ユニクロ、1本3,000万円~5,000万円)や今後のオファーに影響する可能性がある。
2023年の日本CM市場規模は約6,800億円で、永野のような女優はCM収入が映画ギャラを上回るため、映画よりこちらの損失の方が深刻だ。
SNSでは「映画をフラットに楽しめない」との批判が広がり、ファン離れや事務所(スターダストプロモーション)の戦略変更リスクも。
永野はラジオで誤解を招いているとして謝罪したが(2025年4月28日『永野芽郁のオールナイトニッポンX』)、世論の回復には時間がかかるだろう。

スキャンダルは興行収入に影響しない?
だが、スキャンダルが興行収入に与える影響はケースバイケースだ。
2016年のベッキー不倫騒動ではCM撤退が相次いだが、映画への影響は限定的だった。
一方、2019年のピエール瀧の薬物逮捕では『麻雀放浪記2020』の公開が延期され、興行収入は低迷。
永野のケースは、主演かつ「清純派」イメージへの打撃が大きいため、後者に近い影響が予想される。
2023年の邦画興行収入は1,482億円で、実写映画の平均は20~50億円。
『かくかくしかじか』が原作人気で50億円を狙っていたと仮定すると、25億円への半減は現実的なシナリオ。初週興収がスキャンダルで低迷すれば、フジテレビの赤字拡大に拍車をかける。
まとめ
永野芽郁の不倫疑惑が『かくかくしかじか』の興行収入を低迷させても、彼女自身の金銭的責任はほぼない。固定報酬が保証され、ボーナス分の損失は軽微だからだ。
しかし、既に中居正広氏のスキャンダルで201億円の赤字を抱えるフジテレビにとって、映画の失敗は財務とブランドの両面で重大な追い打ちとなる。
製作会社、原作者、劇場も損失を被るが、赤字拡大と信頼危機に直面するフジテレビのダメージが最も大きい。
原作者である東村アキコは永野に作品の魂を託し、連載を休んで制作に全力を注いだが、興行不振は彼女の情熱を費やしただけに、金銭的もだが精神的なダメージが多いように思う。
永野にとっては、CMやキャリアへの間接的影響が真のリスクだ。
映画ファンはスキャンダルを切り離して作品を評価できるか?公開後の動向が、永野のイメージ回復とフジテレビの再建を左右する。