天安門事件といえば、1989年に中国の北京で起きた民主化運動とその弾圧を指す歴史的な出来事ですが、それとクレヨンしんちゃんという日本の人気アニメとは何の関係があるのでしょうか?
実は、クレヨンしんちゃんの作者である臼井儀人さんが天安門事件に関心を持っていたことや、クレヨンしんちゃんの作品に天安門事件に関連する要素が隠されていることが指摘されています。
ここでは、天安門事件とクレヨンしんちゃんの意外な関係について紹介します。
臼井儀人さんは天安門事件に関心を持っていた
臼井儀人さんは、1989年6月4日に天安門広場で起きた民主化運動の弾圧をテレビで見て衝撃を受けたと言われています。
彼はその後、自身のエッセイやインタビューで天安門事件について言及したり、中国に旅行したりしていました。
彼は天安門事件に関する本も読んでおり、その中には「天安門事件――中国民主化運動史」や「天安門事件――中国民主化運動の真実」などがありました。
臼井儀人さんは、天安門事件に関心を持っていたことから、自身の作品にもそれを反映させようとしたと考えられます。
実際に、クレヨンしんちゃんの作品には天安門事件に関連する要素が隠されていることが指摘されています。
クレヨンしんちゃんの作品には天安門事件に関連する要素が隠されている
クレヨンしんちゃんの作品には天安門事件に関連する要素が隠されていることが指摘されています。
その中でも特に有名なものは、1990年6月4日に発表された「おねえちゃんへ」(第1巻収録)というエピソードです。
このエピソードでは、しんちゃんがおねえちゃんを欲しがっており、母親のみさえさんがお腹をさすって「おねえちゃんができるかもよ」と言います。
しかし、父親のひろし さんが「おねえちゃんならまだしも、おとうとだったらどうする?」と言うと、みさえさんは「そうだわね……」と言って考え込みます。そして、最後のコマではみさえさんが「じゃあ……」と言って手元にある新聞を見せます。その新聞の見出しは「中国軍事介入」と書かれており、下部には「6・4」という数字があります。
このエピソードは、天安門事件から1年後に発表されたものであり、臼井儀人さんが意図的にその日付を選んだことや、新聞の見出しや数字を使って天安門事件を暗示したことが指摘されています。
また、このエピソードではみさえさんがおとうとを望まないことを示唆しており、これは中国の一人っ子政策に対する批判だとも解釈されています。
このほかにも、クレヨンしんちゃんの作品には天安門事件に関連する要素が隠されていることが指摘されています。例えば、以下のようなものがあります。
- 「しんちゃんのおねえちゃん」(第2巻収録)では、しんちゃんがおねえちゃんを欲しがっていることを知った友達のねねちゃんが「おねえちゃんはいいよね。私も欲しかったけど、中国に住んでるから無理だった」と言います。これは、中国の一人っ子政策に対する批判だと考えられます。
- 「しんちゃんのおとうと」(第3巻収録)では、しんちゃんがおとうとを欲しがっていることを知った友達の風間くんが「おとうとはいいよね。私も欲しかったけど、中国に住んでるから無理だった」と言います。これも、中国の一人っ子政策に対する批判だと考えられます。
- 「しんちゃんのおじいちゃん」(第4巻収録)では、しんちゃんがおじいちゃんを欲しがっていることを知った友達のマサオくんが「おじいちゃんはいいよね。私も欲しかったけど、中国に住んでるから無理だった」と言います。これは、中国の高齢者問題や孤独死に対する批判だと考えられます。
- 「しんちゃんのおばあちゃん」(第5巻収録)では、しんちゃんがおばあちゃんを欲しがっていることを知った友達のボーちゃんが「おばあちゃんはいいよね。私も欲しかったけど、中国に住んでるから無理だった」と言います。これも、中国の高齢者問題や孤独死に対する批判だと考えられます。
天安門事件とクレヨンしんちゃんの意外な関係とは?【まとめ】
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