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ブータンは最悪な国になってしまったのか?幸福度が低下した3つの理由とは

ブータンはかつて「世界で一番幸せな国」として注目されましたが、近年では「ブータンは最悪な国」と言われるようになりました。

ブータンの幸福度が低下した3つの理由とは何なのでしょうか?

この記事では、ブータンの現状や問題点についてわかりやすく解説します。

ブータンとはどんな国?

まず、ブータンとはどんな国なのか簡単に紹介しましょう。ブータンは南アジアに位置する小さな国で、北に中国、南にインドと国境を接しています。面積は九州とほぼ同じで、人口は約76万人です。首都はティンプーです。

ブータンは仏教国であり、自然や文化を大切にする国です。1972年に国王が「国民総生産(GDP)ではなく国民総幸福(GNH)」を提唱しました。これは経済的な豊かさよりも精神的な豊かさを重視する考え方です。ブータンでは教育や医療が無料であり、電気代や水道代も首都以外では無料です。

ブータンの幸福度が低下した理由1:工業化による自然破壊

ブータンは長らく鎖国していましたが、1974年に初めて外国人観光客を受け入れました。それ以来、ブータンは近代化や開発が進みました。しかし、それに伴って自然環境が損なわれることもありました。

特にパカサという都市では工業化が進み、大気汚染が深刻化しました。パカサは世界の大気汚染都市ランキングで上位に入っています。自然を愛するブータン人にとって、これは大きなショックでした。

ブータンの幸福度が低下した理由2:薬物・アルコール依存で犯罪増加

ブータンでは外国から薬物やアルコールが流入しました。特に若者の間で薬物・アルコール依存が増えており、社会問題になっています。薬物・アルコール依存者は精神的に不安定になりやすく、暴力や窃盗などの犯罪を起こすこともあります。

また、薬物・アルコール依存者は幸福感を失いやすく、自殺することもあります。ブータンでは自殺率が高く、特に若者の自殺率が世界平均の約2倍です。薬物・アルコール依存はブータン人の幸福度を大きく下げています。

ブータンの幸福度が低下した理由3:若者の移住

ブータンでは若者の失業が深刻です。ブータンには就職先が少なく、特にホワイトカラーの仕事はインド人に奪われています。また、ブータンは観光税を3倍に引き上げましたが、これは観光客を減らし、観光業も衰退させました。

このようにブータンには未来がないと感じる若者が多く、オーストラリアに移住することを選びました。オーストラリアではブータン人を人手不足の解消にと受け入れています。2022年7月から2023年5月の11カ月間で、ブータンからオーストラリアに渡った若者は約1万2000人にもなりました。