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閃光のハサウェイがひどいと言われる理由とは?映画の評価が賛否両論に分かれる背景を分析

『閃光のハサウェイ』は2021年に公開された『機動戦士ガンダム』シリーズの劇場版アニメで、原作は1989年に発表された小説です。

映像化不可能と言われていた作品を見事に映像化したことで話題になりましたが、一方で「ひどい」という否定的な評価も多く見られました。

この記事では『閃光のハサウェイ』がひどいと言われる理由と、映画の評価が賛否両論に分かれる背景について分析していきます。

『閃光のハサウェイ』とはどんな作品?

『閃光のハサウェイ』は『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』から12年後の宇宙世紀0105年を舞台にした作品です。

主人公はブライト・ノア艦長とミライ・ヤシマの息子であるハサウェイ・ノアで、反地球連邦組織「マフティー」のリーダーとしてテロ活動を行っています。

彼は地球から人類を追放し、地球環境を回復させることを目的としており、そのためには手段を選ばない冷徹な人物です。

しかし、彼にも苦悩や葛藤があり、特に初恋の相手であるクェス・パラヤを殺してしまったことがトラウマになっています。

『閃光のハサウェイ』は原作小説が3部作で構成されており、映画も3部作で制作される予定です。2021年6月11日に公開された第1部は『閃光のハサウェイ 閃きの父』というタイトルで、ハサウェイがマフティーとして活動する様子や、地球連邦軍のケネス・スレッグ大佐やギギ・アンダルシアとの関係が描かれました。

第2部は『閃光のハサウェイ サン・オブ・ブライト(仮題)』というタイトルで、公開日は未定です。

『閃光のハサウェイ』がひどいと言われる理由

『閃光のハサウェイ』は映画として高いクオリティを持っており、作画や音楽や演出などは素晴らしいものでした。

しかし、それだけではなく、「ひどい」という否定的な評価も多く見られました。

その理由には以下のようなものがあります。

  • 物語が暗すぎる
  • セリフや用語が難解すぎる
  • 映像が暗くて見づらい
  • ギギ・アンダルシアのキャラクターが不快
  • 物語が完結しない

物語が暗すぎる

『閃光のハサウェイ』は『機動戦士ガンダム』シリーズの中でも特に暗い作品です。

主人公のハサウェイはテロリストとして無差別に殺戮を行い、民間人や仲間も巻き込んでしまいます。

彼は自分の正義のために手段を選ばない冷徹な人物であり、感情移入しにくいキャラクターです。

また、彼の周りにも明るい要素がほとんどなく、悲惨な運命に翻弄される人物が多く登場します。

そのため、観ていて楽しいという感覚はあまり得られません。

『閃光のハサウェイ』は原作小説が1989年に発表された時代背景を反映しており、バブル景気の裏で暗いニュースが飛び交っていたことや、富野由悠季監督の思想が反映されています。

そのため、現代の観客にとっては時代錯誤な印象を受けるかもしれません。

また、ガンダムシリーズは子供も観る作品であることを考えると、あまりにも暴力的で残酷な描写は不適切だと感じる人もいるでしょう。

セリフや用語が難解すぎる

『閃光のハサウェイ』は『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の続編的な作品であり、前作や他のガンダムシリーズに関連するセリフや用語が多く登場します。

そのため、ガンダムに詳しくない人にとっては理解しにくい内容になっています。

例えば、「窓」「帳」「マフティー」「Ξ(クスィー)」「ペーネロペー」などの言葉は映画内ではあまり説明されず、観客に知識を求めています。

また、ハサウェイやギギなどのキャラクターも前作や原作小説での設定が前提となっており、映画だけでは十分に理解できない部分があります。

『閃光のハサウェイ』は原作小説が3部作であり、映画も3部作で制作される予定です。

そのため、第1部では物語の導入として必要な情報を詰め込んだ結果、セリフや用語が難解になってしまった可能性があります。

しかし、それでは初見の観客にとってはついていけない作品になってしまいます。

映画としてはもう少し分かりやすく説明する必要があったのではないでしょうか。

映像が暗くて見づらい

『閃光のハサウェイ』は映像技術が高く、作画や演出は素晴らしいものでした。

しかし、それだけではなく、「映像が暗くて見づらい」という否定的な評価も多く見られました。その理由には以下のようなものが

  • 映像が暗くて見づらい

『閃光のハサウェイ』は映像技術が高く、作画や演出は素晴らしいものでした。しかし、それだけではなく、「映像が暗くて見づらい」という否定的な評価も多く見られました。その理由には以下のようなものがあります。

  • 物語の舞台が夜や暗い場所が多い
  • モビルスーツの色や形が似ていて識別しにくい
  • 映画館の環境によっては暗さが増す

『閃光のハサウェイ』は物語の舞台が夜や暗い場所が多く、その上に光と影のコントラストを強調する演出が多用されています。そのため、画面全体が暗くなり、細かい動きや表情が見えにくくなっています。特に、モビルスーツ同士の戦闘シーンでは、Ξガンダムやペーネロペーなどの機体が色や形が似ていて識別しにくく、どちらが攻撃しているか分かりにくい場面がありました12

また、映画館の環境によっては暗さが増すこともあります。例えば、スクリーンの明るさや座席の位置などによっては、映像がより暗く見えることがあります3。また、3Dメガネをかけるとさらに暗くなることもあります4。これらの要因が重なると、映像を楽しむことができないこともあるでしょう。

  • ギギ・アンダルシアのキャラクターが不快

『閃光のハサウェイ』に登場するギギ・アンダルシアは、ハサウェイの恋人であり、地球圏最大の保険会社創業者であるカーディス・バウンテンウッデン伯爵(80歳)の愛人でもあります。彼女は美しく知的で魅力的な女性ですが、同時に計算高く自己中心的な性格でもあります。彼女はハサウェイとカーディスの間で揺れ動きながらも、自分の利益を最優先に考えて行動します5

彼女のキャラクターは原作小説に忠実に再現されていますが、それゆえに不快感を抱く観客も多かったようです。

彼女はハサウェイを利用してカーディスに近づこうとしたり、カーディスから金品をせびったり、ハサウェイとカーディスを裏切ったりします。

また、彼女は15歳という若さで80歳の老人と関係を持っており、「ひどいメドレー」という有名な台詞を放ちます。

これらの行為や発言は観客から嫌悪感や反感を買うこともあったでしょう。

  • 物語が完結しない

『閃光のハサウェイ』は原作小説が3部作であり、映画も3部作で制作される予定です。そのため、第1部では物語の導入として必要な情報を詰め込んだ結果、物語が完結しないまま終わってしまいます。これにより、観客に物足りなさや不満を残すことになりました。

『閃光のハサウェイ』は原作小説の第1部をほぼ忠実に再現していますが、それが映画としては不十分だったということです。映画としてはもう少し物語の区切りをつけるか、続編の公開日を明示するかする必要があったのではないでしょうか。また、3部作ということを事前に知らない観客も多かったと思われます。そのため、映画の宣伝や予告で3部作であることをもっとアピールするべきだったと思います。

閃光のハサウェイがひどいと言われる理由とは?映画の評価が賛否両論に分かれる背景を分析【まとめ】

  • 『閃光のハサウェイ』は『機動戦士ガンダム』シリーズの劇場版アニメで、原作は1989年に発表された小説です。
  • 『閃光のハサウェイ』は映画として高いクオリティを持っており、作画や音楽や演出などは素晴らしいものでした。
  • しかし、一方で「ひどい」という否定的な評価も多く見られました。その理由には以下のようなものがありました。
    • 物語が暗すぎる
    • セリフや用語が難解すぎる
    • 映像が暗くて見づらい
    • ギギ・アンダルシアのキャラクターが不快
    • 物語が完結しない

『閃光のハサウェイ』は原作小説が3部作であり、映画も3部作で制作される予定です。

そのため、第1部では物語の導入として必要な情報を詰め込んだ結果、物語が完結しないまま終わってしまいます。

どんな結末が待っているのか、映画の続きを楽しみに待ちましょう。